開会挨拶


写真:竹村氏

兵庫県協働推進室 室長
竹村英樹氏

それではシンポジウムの開催にあたりまして一言ご挨拶を申し上げます。兵庫県、協働推進室長の竹村でございます。

このシンポジウムは国の新しい公共の支援事業の交付金を活用いたしまして兵庫県の地域づくり活動支援事業という形で、NPO法人しゃらくの皆さんに企画、運営をしていただいたというシンポジウムでございます。

内外から第一線の研究者の皆さんをお迎えをして、このような国際シンポジウムを企画するということは大変骨の折れるお仕事でございます。こうした機会を作っていただきました「しゃらく」の皆さんに改めて冒頭、感謝と御礼を申し上げたいと思います。

まず、我が国における、というとちょっと大げさかもわかりませんけれど、コミュニティ・ビジネス、ソーシャルビジネスを考えるときに忘れてはならないのが17年前の阪神・淡路大震災、そこからの復興の歩みだと思います。

兵庫県では1999年から「被災地コミュニティ・ビジネス離陸応援事業」を通じまして、被災地の生活ニーズを満たすサービスを被災者自らが事業化していった取り組みを応援してまいりました。

具体的には、子育てであったり、高齢者の介護あるいは生活支援といった、地域課題の解決を図りながら一定の収入を得るといった今までにない新しい働き方、こういったものが雇用の受け皿となるばかりでなく、被災者に生きがいを与えるものとなりました。

こうした経験を踏まえて兵庫県では、県内の6箇所にコミュニティ・ビジネス等の起業を支援していく、「生きがいしごとサポートセンター」というものを中間支援組織のNPOの皆さんに担っていただいているといったところです。

そして、今申し上げたような阪神淡路の経験と教訓といったものは、昨年発生した東日本大震災の被災地にも引き継がれ、仮設住宅などで仕事を通じて、被災者ひとりひとりが役割、居場所を作っていくということに繋がっているということでございます。

今、阪神淡路の取り組みをご紹介いたしましたけれども、県の支援というのはそれ以降ずっと続けておりまして、その取り組みの中で成功事例のひとつと言えるのが、今日シンポジウムの企画をしていただいた「しゃらく」の皆さんによる、高齢者、あるいは障害者の方々の介助付きの旅行といった、ビジネスモデルではないかなと思います。

こういった兵庫県・神戸で取り組んできたことのベースの上に、今日のシンポジウムでは、先ほども紹介がありましたように、どのように今後ソーシャルビジネスをスケールアウト、水平展開していくのか、あるいはスケールアップ、垂直展開していくのか、といった観点から、Nicholls先生、それからBloom先生、服部先生をお招きをしまして、イギリス、アメリカ、日本の最新の研究の成果を踏まえた議論が行われるということでございます。

今後のソーシャルビジネスの展開に向けて、新しい知見とかヒントが得られるのではないかと私も大いに期待をしているところでございます。

今、私たちの社会をみまわしますと人口減少と高齢化が急速に進んでいますし、経済も非常に規模が縮小していくといった中にあります。そういう意味で地域課題を解決していくためのプレイヤー、ここの主役であった行政セクターというのはどうしても縮小せざるを得ません。

同時に地域の課題を解決するのを担ってきた様々なコミュニティというのも充分その機能を果たしえなくなっているというのが現状ではないかと思います。それだけにこれからのこういった地域課題の解決というものに関しては、NPOをはじめとする非営利セクターの方々の役割というのは大変重要になってきますし、その手法についても、ビジネスモデルの積極的な導入ということも含めた多様な選択肢、経営戦略が求められているといった状況ではないかと思います。

そういう意味で地域課題を多くの関係者で共有する、共有の上に行政・企業・NPOなど各セクターの特性を生かしながら、その都度課題の動いていく局面に応じて最適な実施主体は誰なのか、最適な実施手法は何なのかということを柔軟に選択していくと、そういった地域経営の時代を迎えているのではないかと思います。

今日は名簿を拝見しますと、会場に実際にソーシャルビジネスに取り組んでおられる皆さん、それから中間支援組織の皆さん、行政や企業の皆さん、一般の市民の皆さんといった本当に多様なメンバーが集っていらっしゃいます。地域課題の解決に携わるメンバーの皆さんでございます。

今日参加された皆さんが、明日からの地域経営のヒント、手がかり、今日具体的に青い用紙に書いてくださいとありましたけれども、そこにヒントなり行動プランがいっぱい書けるように、このシンポジウムがそういった場になることを期待いたしまして、私からの冒頭のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。

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