スケーリングに必要なエビデンスの事例


デューク大学にParker Goyerというテニスプレイヤーの学生がいました。大学に在籍中、ソーシャルベンチャーに関する面白いアイディアを思いつきました。

彼女はベトナムに行き、そこで子どもたちにテニスを教えました。テニスを教えている時に、子どもたちに、教育の機会があること、大学に行ったほうがよい理由を教えました。さらに彼女は、テニスと同じように、ほかのスポーツのコーチをベトナムに連れて行き、子どもたちに教えました。コーチも、プログラム自体も子どもたちに好評でした。

その状況をとても興味深く感じ、彼女はそれをスケーリングしようとしていたので、私は彼女に「エビデンスが最初に必要だ」と言いました。その時はまだエビデンスが揃っていないと彼女は気づき、スケーリングをしばらく控えました。

その時に教えていた12、13歳の子どもが、ついに大学に行くということがわかったときに、彼女にとってのエビデンスが得られたといえるのです。4年前にこのプログラムに参加した子どもが大学へ行く。それだけの時間、待つことが必要でした。最初は小さなスケールでプログラムをやっていたということです。

WINGSは10年かかってやっとエビデンスが揃って、スケーリングできたという例です。放課後プログラムをバージニア州の貧困地域の子どもたちに行なっています。先ほど申し上げたランダム化比較試験をやってみると、プログラムに参加した子どもが、比較したグループと比べて大学進学率が非常に高かったという結果が得られました。成功したといえるわけですね。

ソーシャルベンチャーの間でも競争があります。特にファンディングを必要とするところ同士で競争しており、データやエビデンスが必要になり、それらがあって初めてスケーリングが可能になるのです。

カナダのJUMP Mathという団体は、算数の能力を向上させているのですが、対照グループや全国平均と比較しても、自分たちのカリキュラムが有効に機能したということを何年か掛けて証明しました。このグラフをご覧いただければ、伸びが分かっていただけると思います。このプログラムのおかげで点数が非常に上がったということです。

カナダではこのプログラムは成長しており、アメリカにも導入しようとしています。資金援助も受けています。

次は、ご存知かもしれませんが、VisionSpringです。これは、発展途上国で安価な2ドルほどの眼鏡を売っています。その国に合わせてモデルを構築しており、インド、バングラディシュ、グアテマラ、ほかの発展途上国でも成功例があります。成長した理由としてはプログラムの効果がよく分かったから、ということがあります。貧困地域の人々がお金を稼ぐための手助けをできたということです。

このような国では、多くの人たちは目が悪くなると、機織りなどの作業ができなくなる、つまり働くことができなくなります。ただ、2ドルあれば眼鏡を買って、働けるようになるのです。VisionSpringは順調に成長しており、ファンディングを受けられますし、支援者も増えていくのです。

もう一つのプログラムは、アメリカから立ち上がったものですが、World Bicycle Reliefです。これは、自転車を与えることで、子どもが学校に通えるようにしたり、人々が仕事に行ったりできるようにするものです。アフリカではHIV患者のケアのためにヘルスワーカーが自転車に乗って行けるようになったということです。

その効果を調査したところ、学校に行ける子どもの数も増えましたし、ヘルスワーカーの訪問数も劇的に増えました。このプログラムも、資金調達できますし、さらに成功例を集めることができるようになってきています。

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