閉会挨拶


写真:小倉

NPO法人しゃらく 代表理事
小倉譲

高いところから失礼いたします。

NPO法人しゃらく代表理事をやっております、小倉譲でございます。Alex先生、Paul先生、服部先生、どうもありがとうございました。また、同時通訳の皆様、要約筆記をしていただいた皆様、ありがとうございました。

NPO法人しゃらくとは何なのか、ということを一番最初にご説明する必要性があったかと思います。一番最後になったことをお詫び申し上げます。

なぜ私たちがこのシンポジウムをしたのかということ、そして私たちが今何をやっているのかということをもう時間があまりないので、簡単にご説明させていただきたいと思います。私どもはしゃらく旅倶楽部という旅行会社を経営しております。しゃらく旅倶楽部とは何かというと、介護とか医療が必要なお客様というのがおられます。

実は私、祖父が大好きでした。祖父と毎年のように旅行に行っておりました。その祖父が車椅子の生活を余儀なくされました。なおかつ、肺気腫といいまして、酸素吸引が必要でした。

そういう祖父が旅行に行きたい。私に「譲、旅行に行きたいんだけど。ふるさとに帰りたいんだけど」と話をしてくれました。「おじいちゃん、行こうよ」と言ったときに、私は大手、中小の多くの旅行会社に電話を入れました。「車椅子のお客様、肺気腫で酸素が入っているお客様は弊社は対応できません」と同じことを言われました。

その時に私は感じました。行政サービスでも無理だし、民間のサービスでも私のおじいちゃんを連れて行って頂けるようなサービスがないんだと。そう考えれば、自分でやろうということで立ち上げたのが、NPO法人しゃらくでございます。

ただ、要介護度が高い重度なお客様を旅行に連れて行くということはいろんなノウハウが必要です。私たちは、ドが付くほどの素人からこつこつとノウハウをためてきました。前例がないだけに、手探りでございました。

今、しゃらく旅倶楽部を始めて4年間経ちましたけれども、今まで約800人以上の旅のお手伝いをしたということ。何よりも80%以上の方がリピーター客になっているという形で、一定のノウハウというものを築いてこれたのかなと思っています。

このノウハウというのは、私たちにとって非常に大きな財産でございます。そして、もう一方でこの財産というのは、地域の、そして社会の財産にならないといけないと思っています。

なぜならば、私たちのお客様は重度でございます。私たちが1年間で補えるお客様の数は限られています。例えば、それが200人だとすると、逆に言うと私たちは1年間で200人の笑顔しか作れないということなんですね。

ただ、私たちが培ってきた介護付き旅行、医療付き旅行のノウハウそのものをいろんな団体に知っていただく、社会の財産にしていくと、200人が2,000人になり、2,000人が2万人になり、今まで旅行には行けないと諦めていた方々が旅行にいけるんだという社会になれば、それは社会が変わったといえるのではないかと思っています。

では、そのためにどういうふうにノウハウを伝授していけばいいの、どういうふうに私たちのノウハウを他地域に伝えていけばいいのか、わからなかったんですね。そして、それであれば、先進事例を持っているこの度の先生方に来ていただきまして、教えていただこうじゃないかと。どちらかというと自分たちが学びたいからというような視点、きっかけでこのシンポジウムを開催させていただきました。

今日は本当に、色んなヒントがあったかと思います。ただ私たちは、介護とか医療とかが付いた旅行という視点で、行政サービスや大きな旅行会社が補えないお客様のお手伝いをしている。そんなお手伝いが必要な方はまだまだ地域に多くいるという課題があります。そこは私たち、NPO法人しゃらくでなんとかなるのかもしれません。

でも、この地域社会にはさらにいろんな課題があるはずです。その課題、今日いただいたヒントというものを皆さんが一人一人そこに向かい合っていただきながら実践していけば、社会はよりよい方向に進むんじゃないかと思っています。

このソーシャルビジネスという手法を使って、日本社会が、地域社会が、あるいはもっと大きな地球という社会にあるいろんな課題を解決していく、解決していくプロセスの中に今日、この場にいる皆さんが主役となって活躍されているということを願って、簡単ではございますが、私のご挨拶とさせていただきます。

皆さん、本日はどうもありがとうございました。

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