多様な事業モデルと戦略


写真:服部氏続き

規模を拡大する、先ほどから「スケールアウト」という言葉が出ていますけれども、規模の拡大というのも、事業を大きくする、従業員を大きくする、自分のやっているモデルを広げる。色んな方法があるかと思います。

3パターン見ていきたいと思います。一つ目は収入源を駆使して事業を拡大していく例。もう一つは多様な連携によって社会的なインパクトを高めていく例。そしてもう一つは新たな価値を提供していく例です。

収益をあげるということで、ここの団体もよく知られているかなと思って例示で挙げております。「たんぽぽの家」奈良にある福祉系の団体です。アートセンターを作っています。

たんぽぽの家に行かれたことがある方はいらっしゃいますか。私、奈良出身ですので早速行ってみました。こういうところがあったんだと。結構広い場所にあります。そして、アートセンターというぐらいですからこういったギャラリーがあります。

そこには障害者の人たちが作品を作っているわけですけれども、一般の地域の人たちもやって来ます。スペースがあるので公民館代わりに使っているのではないかなと思います。障害者の人たちに普通に接しているという場がそこにありました。

そして、この作品、おしゃれなんですね。例えば、靴下のTabio(タビオ)という会社がありますよね。ちょっと高い靴下を売っていますね。あそこにも卸しています。あるいは高島屋、伊勢丹。こういったところに障害者のアーティストが作った男性用のパンツや靴下、鞄といったものを扱ってもらっているわけです。

もちろん消費者は「いいね、障害者が作ったから」と言って買いません。「いい作品だね、おしゃれだね、こんなの履いてみたい」と言って買います。そういうふうに企業との連携になるまで「10年はかかったかなぁ」とおっしゃっていました。

もうひとつ例を挙げてみましょう。地域を変えていく。新しい価値を提供するという例ですね。石見銀山、おわかりだと思います。最近、世界遺産に登録されました。

行かれた方いらっしゃいますか。結構いらっしゃいましたね。夜、星が綺麗でしたね。ご覧になりましたか。真っ暗なんです。私はハワイ島にわざわざ星を見に行きました。石見銀山、なんて綺麗なんだろうと。大森町ですよ。本当に美しい星でした。大森町は500人にも満たない町です。いくつか本が出ていますので参考になさってください。

中村ブレイスという会社、ここの中村さんもおっしゃっていました。「こういう街になるまで30年かかった」と。「これから楽しみだ」と。義足、あるいはコルセット、そういったものを作っている会社です。

会社を起こした時、お客さんはゼロでした。しかしクオリティが高い。親戚のおばさんが腰痛だということでコルセットを作って渡した。何て快適なんだろう。口コミが広がっていきました。そうしているうちに海外に目を向けました。お客さんは海外にもいると。小さな田舎の村の顧客は海外だと。そういうことをしながら、この会社が徐々に大きくなっていきました。

今、若者が働いています。就職活動のときUターンをするこのあたり出身の人を第一優先に採用する。その次、資格がある人、という順番だと言っていました。やる気のある若者が来るようになったということでした。

例えば、義足なんですが、竹で作られています。途上国で地雷を踏んで義足を必要とする人がいかに多いかご存知だと思います。そういう人たちには日本の製品は高すぎます。中村さんはどうすればいいんだとずっと考えました。

そうだ。地域に竹はいっぱいあるでしょう、竹細工(職人)はいるでしょう。彼らにこの義足の説明をしました。ノウハウを提供しました。もちろん無償で。彼らは腕がいいので作ることができます。彼らは竹細工の観光用の籠を作っているよりもずっと収入になるわけです。地域の資源を使って地域にいる人たちが新しいビジネス、それで雇用が生まれるということも中村さんは途上国でやっています。

大森町は今このような町並みになりました。中村ブレイスの収入の一部で古民家を改修する。そして、地域の人たちが商売をやりたいと言った時に経営もお手伝いもする、ということをしているそうです。そのように地域に新しい価値を提供するということでビジネスを高め、さらに地域を変えていくということをしてきた。これもソーシャルビジネスの素晴らしい例ではないかと私は思っています。

次は連携をする例です。銀座をご存知だと思います。東京のど真ん中。最もファッショナブルで、そして歴史もある街です。銀座に行った方はいらっしゃいますよね。そうなんです、ほとんどの方が手を挙げていただきました。Alexも行ってますね。

そこに蜂を飼いました。この話をご存じの方はいますか。田中さん、だいぶ普及してますね。私も銀座の屋上に上りました。こんな感じですね。

田中さんという方を含め、ボランティアの方がたくさんいます。本当に養蜂家のようにこんな格好をしてハチミツを採っています。私も子どもを連れて屋上に上りました。蜂が可愛いんですね。そして質の高いハチミツを作り上げてくれます。近くに皇居がある、浜離宮がある。あまり農薬を使っていない良いハチミツが取れるそうです。私も頂戴しました。美味しいです。普通なら売りますよね。ここの銀座みつばちプロジェクトは誰に売ったでしょう。

こういったパティシエとかプロに売ったわけです。こういったプロがクオリティの高いハチミツを使って銀座で販売する商品を提供した。ケーキ屋さんとお話をしました。「お客さんはそれを知ってるんですよね。そうやって来るんです。するとお客さんとお話が弾むんですよ。」新しいコミュニケーションが生まれました。「このハチミツ難しいんですけどね。僕たちはケーキ作りに非常にプライドを持って作っています」と。松屋さんに行くと、どれが銀座のみつばちプロジェクトで採れたハチミツを使ったスイーツかということを表示しています。クリスマスケーキもすぐに売り切れます。

というようなことをやっているのですが、それは今言ったように松屋さんなど銀座にある企業と手を組むということをやって大きくしていきました。今では日本の各地で同様のプロジェクトをやっています。ソーシャルなフランチャイズと呼べるものですね。

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