ソーシャルフランチャイズ


服部篤子

ありがとうございます。今の質問に対する答えで大丈夫でしょうか。

この質問のポイントはニッチなニーズにおいても一般消費者、生活者を変えることができるのだろうかということでした。今、お二人の意見から、国によって違うけども、YESだということです。むしろ逆の言い方をすれば、一般の生活者を変えないと、変えるぐらいの市場を生み出さないと、ソーシャルビジネスはスケールアップするのは難しいのではないかというふうに思っています。

つまり、多くの人々の賛同を得る、あるいはその商品を手に取ってもらう、サービスを受けてもらう、あるいはそのサービスに賛同してもらうということではないと、今までの非営利の世界と変わらないかなというふうに思っていまして、各国で成功の事例があるよというようなことをお話いただきました。

今、大手の企業も、Shared Valueという言い方をしていますけども、そのあたりに対しても理解が出てきているということではないかと思います。ソーシャルビジネスの場合は、先ほどからお話があるように、一つの組織だけが大きくなるということではありませんよと。

むしろ、その社会的なインパクトを効果的に広めていくことだというようなお話があるわけです。そのためには、スケーリング、Paul先生のほうはReplicatingという言葉を使われていましたし、ソーシャルフランチャイズという言い方もするように聞いています。

しかしながら、もしそれが本家本元だとすると、そこからどうやってお金を生み出すんだろうかと。あるいは、その知的財産、通常それが企業であれば、マクドナルドのようにフランチャイズをすることによって、本家本元は儲かるわけですね。必ずしもそうしないところに、ソーシャルセクターのフランチャイズの特徴があるわけです。

当然、その手法は広がるわけです。しかし、お金はどうやってまわしていくんだろうか。あるいは、知的財産はどうやって守ればよいんだろうか。そのあたりについて、参考になる意見、事例などはありますでしょうか。あるいは、そういったフランチャイズの仕組みで問題になっていること、懸念されることはあるでしょうか、というご質問が来ています。いかがでしょう。

Paul N. Bloom

写真:Dr Paul

フランチャイズの話ならできると思います。Girls on the Runはフランチャイズの例です。申し上げたように、1990年に12人の女の子たちで始まりました。今は1年間に50,000人以上の人が参加しています。

団体では、「支部(chapter)」ではなく、「協議会(council)」という言い方をしています。実際、フランチャイズを受けている一つ一つの団体は独立したNPOとなっています。

それぞれのフランチャイジー(加盟店・加盟者)がプログラムを持っており、1つにつき300~400人ぐらいの女の子が参加しています。参加している女の子から各協議会が受講料を徴収します。つまり、各協議会が資金調達もやっています。

オークションをしたり、レースを開催したり、小売店と協力してイベントをしたりします。そこで、資金を得ることができています。小売店がGirls on the Runに場所を提供して、参加者の女の子が食事を提供したりします。その夜に使われたお金の何%かが、フランチャイジーのところにいくというわけです。フランチャイジーで資金調達の活動をしています。

また、受講料の何%かが、創設者がいるフランチャイザー(本部)のホームオフィスにいきます。ホームオフィスへの額は、フランチャイジーの規模によって決まっています。大きなところは多くの金額を支払っています。フランチャイザーもお金が必要であり、資金繰りも楽ではありません。

重要な点は、それぞれのフランチャイジーが自立しているということです。フランチャイジーが自分で資金調達をしているのです。

マーケティングのアレンジもしたりします。NEW BALANCEいう靴のメーカーをご存知でしょうか。Girls On The Runのスポンサーになっています。会社として貢献しています。

また、貧困に苦しむ女の子に無料で靴を提供したりもしています。よい関係ができているわけです。P&Gからも支援を受けています。シークレットデオドラントという商品があるのですが、女の子が大きくなったらこの製品を使ってくれるかもしれません。さまざまな方法で資金調達をすることができるのです。

Alex Nicholls

フランチャイズにはさまざまなスタイルがありますが、一つ興味深いものをあげてみますと、発展途上国においてフランチャイジーが現地に根を張って活動している形があります。

VisionSpringやインドのEye Hospital、Shakti Amba(シャクティ・アマ)プログラムなどといった事例があります。フランチャイジーが製品を売ったり、またネットワークを構築して現地の人たちとの窓口になったり、仕事も持ってもらえるということです。多くの利益があり、Win-Winの関係を築くことができるのです。

フランチャイズのスタイルには3つ以上あると思います。製品化、サービス、モデル、アイディアなどです。

アイディアに関しては、概念だけでもよいと思います。この例としては、ラテンアメリカのエコクラブがあります。若い人たちと持続可能なプロジェクトをつなぐというアイディアがありました。そのアイディアを使って、別の組織や提携機関を作ろうとしている人たちがいます。

フェアトレードでもフランチャイズが可能です。アフリカの貧しい農業従事者のところに行き、農業協同組合の形で農産物を得ます。徐々に組織を強くし、大きな農業協同組合に育てていきます。これで、バイヤーと交渉できるようになります。農業従事者も協会も強くなっていくということです。

モバイルバンキングもあります。開発途上国では、携帯電話で入出金ができ、そのことをテキストメッセージで表示するようにしました。ボーダフォンやイギリスのテレコムカンパニーが開発したものです。ケニアや東アフリカにもあります。多くの人たちがモバイルバンキングを利用していて、アフリカではいまや一番使われている銀行の形態です。

さまざまなフランチャイズのスタイルがあるということを申し上げたかったのです。そして、何が最も機能するのかについては環境によって異なるので、社会起業家は適切な方法を選ぶことが重要になります。

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