参加者へのメッセージ


服部篤子

写真:服部氏

動向が見逃せないという状況ではないでしょうか。

さて、Alex先生とPaul先生には最後にまとめてご意見をいただきたいと思いますので、ここでいくつかアクションプランについてご紹介したいと思います。時間の関係で、並んでいた順番の上から1~3番目ぐらいしかお読みできないかもしれませんが、このアクションプランというのは、今日の話を受けて自分たちもこうしようというふうに書いていただいたものです。

例えば、Girls On The Runの話を聞いて、日本ではこれを20~30代ぐらいまでの青年に向けたものとしてやってみたいという意見を書いていただきました。

また、阪神エリアなんですけども、子育て支援について赤ちゃんとお母さんの場作りを実践しながら、周囲のアプローチを広げながら、これはエコシステムのマップを作って、という意味ではないかと思っているのですが、自分たちのビジネスとして子どもと大人の集える場作りへつなげていきたいと思います、と。今日の話の中で、自分たちの活動をまず見つめて、検証してという話がPaul先生から出ましたね。その視点を与えていただいたので活かしていきたいというご意見をいただきました。

また大学関係者だと思うんですけども、学生向けの社会起業家精神に関するプログラム及び教育をやっていきたいというふうに書いていただいた方があります。自分自身も自分が働いている大学でそういったプログラムをスタートさせたいと。そのためにはNPOとネットワークを組んでやっていきたいというふうに書いていただいています。

大学の教育ということであれば、お二人とも大学でレクチャーをされているわけですけども、大学で学生に対してどのようなメッセージを強く伝えていらっしゃるのか。デューク大学で、あるいはオックスフォード大学でということも聞いてみたいと思います。

最後に私から質問させていただくことをお許しいただきたいのですが、いくつかオーナーシップの話が出てきました。実際にJohn Lewisの話もありましたが、株を持つという話が出てきました。

ソーシャルビジネスがスケールアップしようとした時に、株を発行するということも、一つの選択肢かもしれません。日本では宅配ビジネスをしている「らでぃっしゅぼーや」がNTTドコモの傘下になったわけです。買収されたという言い方になるのでしょうか。これは先ほどからご指摘があるように、Win-Winの関係であり、将来を見越して慎重にパートナーシップを探していた結果、そうしたというふうに新聞報道されていました。

こういった、株を発行する、社員が持つ、生産者が持つというところに何かリスクはないのか。そんなことが私にはとても思われています。

このディスカッションにおいては、残された時間があと数分でございますので、まずお二人には日本に向けてのメッセージ、何でもよいのでおっしゃっていただくことと、ご自分の大学で学生にどういうメッセージを強く伝えてらっしゃるのか、そしてオーナーシップについてご意見があればお伝えいただきたいと思います。

Alex Nicholls

私の学生の話ですが、Paulも私もビジネススクールで仕事をしています。MBAの学生を抱えていて、みんな非常に優秀で、モチベーションもあります。みんな、銀行家になりたがっています。それはなかなか難しいことですが。

しかし、オックスフォードのビジネススクールではない学生の中には、この社会的企業のことを勉強したいと思って、MBAの授業を聴講に来ている生徒もいます。政治学、社会学、人類学、公共衛生学など、さまざまな分野の多くの学生がこの分野に興味をもって聴講に来ています。

私からのメッセージとしては、多くの学生が興味を持っているということ、ビジネス、企業だけでなく社会的企業について学びたいという人がいることを社会に知らせるべきだと思っています。銀行家になりたがる学生ばかりでもありませんので。

この分野を活発化させて、学生たちが興味を持つように、イノベーションが起こるようにしていこうと思います。そして彼らには、この分野に参入することの良い点、悪い点、まだまだ未発達で完璧ではないということを正直に話すつもりです。さまざまなコースで学生が興味を持つようなものを教えていきたいと思います。

もう一つの質問に関して、私の頭に二つ浮かんでくることがあります。

一つは株式をシェアするということです。IIX(Impact Investment Exchange Asia)という団体は、アジアのインパクトに関する投資の交換を行うという意味ですが、シンガポールに本拠地を持つ社会的な株式市場です。株式のリスティングをアジア諸国に発信しています。

シンガポール、バングラディシュ、インド、また日本も社会起業家たちが今後関与していくのではないでしょうか。アドバイザリーボードが、さまざまなステークホルダーと関係を持ちたいと思っていますので、興味があれば私にお知らせください。

また、ABPN (Asian Benture Philansorophy Network)という団体があります。これは株式だけではなく、新たなフィランソロピーの形を結び付けているもので、助成金や寄付をより効率的に利用しようというものです。多くのアジアの国々で行われており、日本も一部関わっているかもしれませんが、私のイギリス人の友人が設立した団体です。

ですからもし、日本へのメッセージとするなら、独りではないので孤立感を味わわないでくださいということです。社会的企業はアジアで既に多くの活動が行われているので、ネットワークを拡大して、ほかの諸国にも広がる価値があるということ、経験を共有し、コミュニティを共に活発化できることをみなさんにお伝えしたいです。

Paul N. Bloom

私は基本的には若者から刺激を受けています。アメリカで教鞭をとっておりますが、日本ではわからないのですが、アメリカの若者は私に非常に勇気を与えてくれます。

議論を巻き起こそうという意味ではなく、アメリカは今や、かつてないほどに多文化の国へと発展を遂げています。驚くほど民族の違いを持っている人が集まっているのです。ヒスパニック系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人など調和した形で共存していると思います。

現在のアメリカの大統領を見れば、それはお分かりいただけると思います。さまざまな価値観を持っている人たちが、いろいろな関心を持って、ソーシャルインパクトボンドのようなことを起こしているのです。このような大きなうねりがアメリカでは起こっています。学校においても、情熱をもってキャリア形成しようとしている学生が多く存在します。

日本のことはあまり存じていないのですが、一週間日本に滞在している間、本当に皆さんフレンドリーで、例えば道を尋ねても一緒に目的地までついてきてくださいます。信じられませんでした。私はフランスが大好きですが、フランス人は「まっすぐ行け」と言うだけです。

私の単なる質問に、できる限りの心で応えてくれるのは素晴らしい哲学だと思うのです。人と人とのつながりを日本の文化に感じます。素晴らしい社会起業家精神が根付いていると思います。他人のことを思うという文化によって、この分野は大きく成功を遂げると思います。今回初めて来日し、日本の未来は明るいと感じました。

服部篤子

日本にも大きなうねりが来ているのではないかと思っています。国を超えて同じテーマで議論することができていると思っています。このソーシャルビジネスというセクターというか事業、ビジネスというのでしょうか、この分野がどんどん強くなっていくということが今、日本の社会にも必要とされていると。さらに、そのソーシャルビジネスが非常に可能性をもっているということを確信しています。

そのためにすべきことは、今日はたくさん話を聞くことができました。政策を動かしていくことももっと必要でしょう。一般の社会に理解をしてもらうことももっと必要でしょう。もっとメインストリームの金融が、お金が動くような仕組みを作っていくことも必要でしょう。

私たちは、今日いろんなことをやろうと思ったのではないかと思います。アクションプラン、全てお読みできなくて申し訳ありませんでした。ただ、こうしようと思ったことを書いていただいた、そして書いたということは、一歩進むわけです。次、一歩踏み出すんだろうと思います。

私たちも、こんなモデルがあるんだということを世界にどんどん発信していきたいと思います。そして、また、こういったソーシャルビジネスが事業拡大していくということについて、更なる議論をしていくことができればいいなというふうに思っています。

今日は素晴らしいスピーカーに来ていただきました。とても心強い意見をいただいたのではないかと思います。ぴったり16時になってしまいました。オーガナイザーの挨拶が残っていますね。まずはここでディスカッションを閉じさせていただきます。改めてPaul先生とAlex先生に拍手をお願いしたいと思います。

ありがとうございました。

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