消費者行動の変化


服部篤子

この分野の可能性が大きいということは私も同感です。そういった若者が、あるいは人材が行くというふうになっていくのは、そのセクターの成長と同じようなスピードなのかもしれません。

一方で、社会がその活動について評価をし、そこに関わる人材について評価をし、先ほど言ったように、失敗しても経験を共有するというふうにセクターが成熟していき、社会が成熟していく。これ、同じように進めていかなければいけないかもしれません。

ご質問の中に、こういったソーシャルビジネスが社会に広がることで一般の消費者、生活者、この人たちの消費行動、生活行動、つまり行動を変えていくことがあるのですか、という質問をいただいています。お二人にいただいているのですね。

これは先ほど申し上げたように、一般企業もマーケティングによって生活行動を変えるように促して、商品あるいはサービスを広げていくわけですよね。ソーシャルビジネスは、もっとニッチなニーズかもしれない。それに対して、一般の多くの人々を変えることがあるのだろうかという質問が来ていますが、いかがでしょうか。

Paul N. Bloom

今までのマーケティングの教授の仕事として、会社が何か社会的な目的を支持しているかどうかについて、消費者がブランドを選ぶにあたって考慮するかを調査しました。この事実を立証するような調査がたくさんあると思います。

ほかの条件が全く同じで、製品やサービスがよいのであれば、消費者は社会的な目的を持つ会社の商品を選ぶということがわかりました。社会的な目的を持つ会社をサポートすることで、消費者は報われていると感じるということですね。多くの会社がこの事実を認識していまして、軍などにお金を渡すと競争に不利になるということがあります。

例えば、乳がんをサポートしようとする会社があります。通常はひとつの会社がひとつの社会的な目的をサポートするわけですが、BMWや一部のビール会社のように複数の目的を行なっているところもあります。

消費者はほかの要素が同じならば社会的な目的を持っている会社の製品を選ぶ傾向があるということが、調査の結果から分かりました。これはフェアトレードでも同じです。

Alex Nicholls

一般的な話になってしまうことを前置きします。

消費者の行動も、投資家が何を目的にするのかということも、国によって違います。国の文化やコンテキストにも関わってきますし、倫理的な消費とはなにかと自国の文化に照らし合わせて考える国もあります。

しかし、全体的なトレンドは一つの方向に向かっています。消費者も投資家も、自分の行動(消費や投資)によって社会的、環境的問題への取り組みに加勢できるようなところを選ぶという方向性です。

投資については社会的責任を持つ投資という表現をします。投資先にスクリーニング、または制限を加えます。例えば、武器やタバコの会社には投資しないということです。この傾向は30年前には1%ほどだったのですが、今では15%にもなっています。これは仮定の話ではなく、実際にデータもあります。アメリカだけではなく、イギリスでも毎年10%以上15%ほど伸びています。

また、13ヶ月前のハーバード・ビジネス・レビューという雑誌に、「共通価値(Shared Value)を作る」という記事が掲載されました。CEOなどが読むマネジメントの雑誌なのですが、そのトップ記事に資本主義を改革するというようなことが書いてありました。10年前には起こっていなかったことがいま起こっているということです。こういう動きが出てきています。

先ほどの質問の答えですが、顧客も投資家もこのような傾向にあるということです。中国の経済が世界で今一番伸びているところですが、少し違っています。ヨーロッパも違うかもしれません。

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