社会的企業に対する政府の政策


写真:Dr Alex続き

では2つ目、政策についてです。

こちらはイギリスのゴードン・ブラウン前首相で、彼は首相になる前は財務相にあたる役をしていました。社会的企業の戦略が2002年に労働党によって打ち立てられました。

ここに座っているのが、当時のサードセクターの大臣であり、現在は労働党のトップ、つまり野党のトップとなった人物です。労働党は時間を掛けて社会的企業を支援してきました。

さまざまなな方策をとって、例えば、規制であるとか新しい法制度など、新しい社会的企業のためだけの枠組みであるCommunity Interest Companyという協同組合を作り、あるいは財政や税制などを使って社会的企業を支援してきました。

また、直接投資も社会的企業に行ってきました。ですから、この政府は社会的企業に大変興味をもっていましたが、その理由は、社会的企業が労働党にとって重要なイデオロギーの目的を持っていることでした。2002年当時は、市場とビジネスを掛け合わせて、社会福祉のために役立てようという考え方、社会的企業というのは大変人気のある考え方だったのです。

興味深いのは、今新しい内閣になり保守党と自由民主党の連立政府がデービッド・キャメロンのもとで発足しましたが、政党が変わって2010年になっても引き続き社会的企業支持を表明しております。今はいわゆる右寄りでありますけども、保守党、自由民主党共に社会的企業には大変な関心を示して、大事なものというふうに考えています。

社会的企業の解釈は少しずつ変わってきていますが、しかし政策としてはほとんど同じです。政党が変わると当然政策も変わるのが常なのですが、これは大変に稀なことです。

Office for Civil Societyというサードセクターの省庁がありましたが、名前が変わり、Cabinet Office(内閣府)になりました。

こちらは首相発言からの引用です。「政府は門戸を開いて公共事業、公共サービスを慈善団体や社会的企業、民間企業にも委ねるべきである。それによって革新性、多様性を高め、人々のニーズに応えることができる」

ですから新しい政府は、社会的企業が福祉社会の改革のために大変役に立つと考えているわけです。これをBig Society、大きな社会と呼んでいるわけですが、政府自体も自らをJohn Lewis国家と呼んでいるのです。つまり、社会福祉を民間企業のJohn Lewisモデルのようなものと捉え、政府のプログラムをアウトソーシング、委託するという形に移行しています。

ちょっと複雑な表なのですが、政府政策の変遷を表しています。興味深いのは、CITR(Community Investment Tax Relief、コミュニティへの投資に対する税優遇)ということがあげられます。貧しいコミュニティに投資を行うと、税優遇が受けられるということです。それが5,800万ポンドです。

また、CIC(Community Interst Company)は新しい法人格であります。多くの例がありまして、社会的投資についてはのちほど話したいと思います。いろいろなプロジェクトや基金が政府のきもいりで走っています。さまざまな政策が出ていることがわかります。

タイトルにありますが、この分類はJeremy Kendallが行いました。政策の機能はどのような分野があるのか。3つあります。

1つ目は、政府によって民間にアウトソーシングして、政府の福祉政策を担ってもらう。2つ目は、パートナーとして政府の政策を実際に実行してもらう。例えば、コミュニティの再活性など。3つ目は、社会福祉を向上させるために社会的企業が政府に対してどのような報告をするのか、なにをするべきなのかを提言する。3つの機能があるということです。これはお互いに相反することも、緊張関係にあることもあります。

NHS(National Health Service)による2011年の白書には、世界中の第三の最大機関に国民皆保険をしていくということが書かれています。三大機関とは、中国軍部、インドの鉄道システム、そしてイギリスの国民皆保険制度のことで、これが大きな社会的企業になるということです。これは大きな野望を抱いている政府の政策です。

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