社会的投資のカテゴリーと事例


社会的投資は、政策と投資が結びついているので、政府が非常に強く関心を持っており、社会的企業に対する投資を促しているということです。10億ポンド以上の直接投資が見込まれています。非常に多額です。

しかし、多くの問題を抱えています。この投資市場は断片的であり、まだ完璧な状況にはなっていないということで、先ほど申し上げたデータでもそれが示されていると思います。

重要な報告が昨年発表されました。2011年には1億9千2百万ポンドが民間による社会的投資の金額であったということです。そして今後の見込みですが、5億から7億ポンドの投資が見込まれています。

また、1億2千万ポンドがキャパシティビルディングの資金として見込まれています。この金額が近い将来に投資されるということです。

しかし、多くの問題を抱えていまして、その説明をする時間はないのですが、皆さんよくご存知のように、このリスクとリターンを測るものさしを改善していかなければなりません。何がよい投資で、何が悪い投資なのか、その内容の判定が難しいのです。そして、よく理解できていないのが、リスクとその値踏みの仕方です。何がリスキーな社会的企業なのかということを見極めるのが難しいのです。

社会的投資について、いくつか例を申し上げましょう。社会的投資を行っている社会的企業は、3つのカテゴリーに分けることができます。1つ目は政府によって設立されるもの。これは政策を優先させたものです。2つ目は民間のもの。市場の原理で動いているもの。そして、3つ目は草の根の組織として、ボトムアップで社会的投資を行うもの。

1つ目の政府のモデルですけれども、これはBig Society Capitalと言われているものです。皆さん、このBig Society Capitalという言葉を聞いたことはありますか。大丈夫でしょうか。

これは、ホールセール機関と呼ばれているもので、社会的企業に資金を直接渡すのではなく、中間支援組織に渡し、そしてその中間支援組織から社会的企業に資金が渡ります。その理由は、Big Society Capitalが新たな資金を社会的企業に送ることができるということです。

例えば、5百万ポンドを投資する。そして、他の人がまた5百万ポンドを投資すれば、全部で1千万ポンドになります。このようにして、合計金額がある社会的企業へと投資されるのです。

2005年に設立予定だったのですが、この組織のよいところは「どこから資金を得ているか」ということです。主に休眠口座から得ています。銀行口座として眠っているもの、15年間何も動きがない口座のことです。誰もその資産を主張しない口座なのです。

ですから、イギリスの政府は2008年に銀行に対してこの資金を使うようにということで法制化しました。これで4億ポンドが、この先数年にわたって休眠口座から拠出されることになっています。これは政府の資金ではありません。この社会的企業は、税金によって支えられているということではないのです。

Big Society Capitalは昨年の2011年から稼動を始めました。ですからまだまだ新しい制度で多くの投資を行なっているわけではありません。詳しくは述べる時間がございませんが、最終的には6億ポンドが投資される予定です。Big Society Capitalは利益を追求する利潤組織ですので、助成金ではありません。株式に投資をするということなのです。

ですので、資金が還元されれば持続可能となっていきます。そして現在はニック・オドノヒューという人によって運営されています。彼はJPモルガンのグローバルリサーチの元所長で非常に経験豊富な銀行家です。ソーシャルセクターから来られた方ではないということです。

次に、2つ目のカテゴリー、民間部門についてです。これは民間部門のグラフですが、さまざまな機関を示しています。グラフの横軸はリスクの大きさを示しています。株式であればリスクは高く、助成金であればリスクは低いのです。そして、縦軸はビジネスのリターンの大きさを示しています。

リターンが多く見込まれるものは、よりビジネスに傾注している、利潤を追求しているということです。下にいってチャリティーになりますと、何も見返りがないということになります。Big Issue Invest はBig Issueと繋がっているところです。その他、さまざまあり、多くの活動が行われています。これは民間の例です。政府の例ではありません。

民間部門のその他の例ですが、非常に興味深いものとしてClearlySoという団体があります。この団体は、市場を作り出す組織なのです。投資家、そして投資される側が共に協力し合ってインターネット上で機能しています。公的なサービスにもアクセスできるということでブローカーのような役割を果たしています。

cdfa(Community Development Finance Association)はコミュニティ開発型の金融機関であり、コミュニティバンクとして機能しています。ここ10年、コミュニティの融資をサポートしています。昨年、イギリスでは2億ポンドのコミュニティバンクの融資がありました。小さなコミュニティの事業へと投資がされたわけです。

Fair Financeはマイクロレンディング、マイクロファイナンスを行っているロンドンの組織です。マイクロファイナンスはロンドンにもあるのですよ。バングラディッシュだけではないのです。貧しい人はロンドンにもいますので。ですからこのフェアファイナンスは非常に興味深い、マイクロクレジット投資の例だと思います。ここまでが民間部門の例です。

最後に申し上げたいのは、草の根組織の例です。

Suma Wholefoodsは小さな卸しの協同組合です。農業従事者の販売を支援し、協同組合的な構造で彼らの生活を支え、改善していこうというものです。

Kuapa Kokooはチョコレートのフェアトレード会社です。カカオを作っている西アフリカの農園業者がイギリスで高く売れるようにしています。同時に生産者がイギリスの会社の株主になれ、アフリカの生産者がイギリスのビジネスに参加できるという例です。

次が、Just Change UKというお茶のフェアトレードの例です。インドのお茶の製造業者にビジネスのオーナーになってもらい、利益を得てもらうということです。

この図は見えにくいのですが、Participate Capital(参加型資本)を表明しています。投資の収益に対してみんなが参加できる。少数の裕福な人のみが成果を得るわけではありません。これも重要なことです。

政治も絡んで、このようなことが重要になってきています。覚えている方もおられると思いますが、グローバルキャンペーンとして貧困を過去のものにしようという運動があります。実際には過去のものとはなってはいませんが、このキャンペーンは非常にパワフルなものでした。この結果、ロンドンでウォールストリートのような運動が政治的に続くようになりました。資本主義、投資のやり方を改革しようという動きが広まりました。

次は、We Are the 99 Percent(99%キャンペーン)です。これらは過激で極端な例ですが、かなり力を持っています。さまざまな変革を起こさなければいけないというムードを高めているという点で非常にパワフルです。Big Society Capitalとはかなり違うものです。草の根運動ではありますが、これらもとても重要なものです。

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