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里帰りと法事

写真:明石大橋を運転中

施設に入居され、長い時間生活をしている要介護5のお客様。息子さんから、一緒に法事に参加してもらいたいので、故郷である淡路に連れて帰りたいというオーダーをいただきました。

普段は施設の中でも、食事以外はベッドで横になっていることが多く、ほぼ寝たきりの状態のお客様。それが、神戸から淡路島で近いといっても、ほぼ丸1日の外出です。座位の状態でどのぐらい耐えられるかが、出発前、もっとも気がかりなことでした。そんな中、施設のケアマネジャーさんのご厚意により、リクライニング車いすを借りる事ができ、食事や法事の時以外は横になれることになりました。

出発直前、不安な表情が見え隠れしていたお客様も、昔住んでいたご実家に近づくにつれ安心してきた様子で、懐かしい風景に目をやりながら口を開いていきました。さらにご実家に到着後、ご家族との再会を果たすと見違えるように元気になり、いきいきとした表情でコミュニケーションを楽しまれました。

今回、私がエスコートヘルパーとして感動したのが、周りの皆様が気持ちよく手伝ってくださったこと。郊外にあり、建てられてからだいぶ経っているのではないかと思われるお宅で、道から門、門から玄関、玄関から部屋まで、多くのバリアがありましたが、毎回ご家族、ご親族の皆様がこちらからお願いする前に気がつき、走ってきてお手伝いしてくださいました。多くの障害は人のサポートでどうにかできるもの。そんなことを再認識しました。

物質的なバリアはあっても、心のバリアはない。そんな素敵なご自宅、そしてご家族でした。

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